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意思決定の行動心理学 ~アンカリング効果~ [マーケティング / 仕事]

行動経済学は、「人間が必ずしも合理的に判断したり、行動したりできるわけではない。」と色々な実験を通じて検証しています。

その中で面白かった事例を紹介します。

【事例 1 国連でアフリカ諸国が占める割合】
被験者に下記の質問をします。

1.国連でアフリカ諸国が占める割合は○○%よりも高いか、それとも低いか?

○○に入る数字は、質問を受ける人によって違い、ルーレットを回して決定されます。
このルーレットは、あらかじめ65か10になるように設定されています。

2.国連でアフリカ諸国が占める割合は何パーセントか?

ルーレットに適当に決められて、見せられた数字ですが、65%という数字を見た人は、平均45%くらいと答え、逆に10%という数字を見た人は、平均25%という回答でした。

つまり、最初に示された数字が基準となってしまい、回答に影響を与えてしまうというわけです。


【事例 2 扁桃腺の診断割合】
医者は、潜在的に子供の中で潜在的に45%くらいの人は扁桃腺の手術をした方が良いという認識を持っています。

そこで、100人の子供を医者Aに扁桃腺の手術をした方が良いかの診断させました。
すると、医者Aは、約45%の子供に扁桃腺の手術をした方が良いと言いました。

次に、残りの55%の生徒に対し、別の医者Bに同じく診断をさせました。
すると、医者Bは、約45%の子供に扁桃腺の手術をした方が良いと言いました。

さらに、AでもBでも扁桃腺の手術をしなくても良いと言われた生徒を集め、医者Cに診断してもらうことにしました。
やはり、医者Cは、約45%の子供に扁桃腺の手術をした方が良いと言いました。

これは、冗談ではなく米国小児保健協会で明らかになった結果だそうです。


【事例 3 値段のふっかけ理論】
アンカリング効果を一番上手く使っているのが、商売におけるふっかけだと思います。
最初に、すっごい高い値段を見せておいて、どんどん値段を下げていきます。
すると、なぜか得した気分になり(基準がわからなくなり)、ついつい購入してしまった!ことが起こります。

グルーポンやポンパレや、バーゲンセールなどは、これに近いんじゃないでしょうか。
もちろん、最初からありえない値段を表示するのは、違法なのですが、50%引きとか90%引きな~んて表示を見せられると、衝動買いした人も多いかと思います。


行動経済学入門―基礎から応用までまるわかり

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お水番

面白いですね。
先日、母が1枚5000円のコンサートチケットを2枚5000円で買いました。
お供でコンサートにいくと、2枚5000円が適正だよね、と思いました。
【事例 2 扁桃腺の診断割合】、続けて行って最後の一人になった時、医者は「45%の確率で手術したほうがいい」と言うのでしょうかね。



by お水番 (2011-11-01 11:58) 

Minky

nice & コメントありがとうございます。
> お水番 さん
よくアメリカなどでは2枚買うと1枚タダ!ってありますよね。
最後の一人になった時、45%で手術になっちゃうんだと思います。(笑

by Minky (2011-11-01 16:45) 

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