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入門 共分散構造分析の実際: 4章 事例に見るモデルの作り方 [入門 共分散構造分析の実際]

入門 共分散構造分析の実際: 4章 事例に見るモデルの作り方

入門 共分散構造分析の実際

入門 共分散構造分析の実際

  • 作者: 朝野 煕彦, 小島 隆矢, 鈴木 督久
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/12/20
  • メディア: 単行本

4章 事例に見るモデルの作り方で書かれていることは
4.1 検証的なモデリング
4.2 モデリングの法則
4.3 モデルの修正
4.4 探索的なモデリング
4.5 仮説の提案とモデリング
です。

この章の狙いは
・モデル作りの規則を学ぶ
・検証的なモデリングと探索的なモデリングの違いを理解する
・「働く人々の意識調査」にそって、モデルの作り方を知る
と書かれています。

【検証的なモデリング】
Step1. 理論または仮説に従ってモデルのパス図を描く
Step2. 構成概念を測定する指標(観測変数)を決める
Step3. データを収集するための調査計画や実験計画を立てデータを収集する
Step4. 収集したデータをモデルにあてはめて母数を推定する
Step5. 適合度を確認する
Step6. 必要ならStep1の仮説の範囲内でモデルを微修正する

【探索的なモデリング】
Step1. EFAを実行する
Step2. CFAを実行する(測定モデルを構成する)
Step3. 仮説を提起し、構造モデルを構成する
Step4. モデル検証のために適合度を確認する
Step5. モデル修正

【用語の解説】
EFAとは?⇒探索的因子分析(explanatory factor analysis)の略。
因子と観測変数の対応づけが仮定されていない因子分析。
通常因子分析というとEFAをさす。

CFAとは?⇒検証的因子分析(confirmatory factor analysis)の略。
因子と観測変数の関係を分析者があらかじめ仮定した因子分析。
確証的因子分析ともいう。

【メモ1】
因子間に因果を想定しないCFAモデルの適合を確認する。
測定モデルの段階で適合が悪いと、SEMに進んでも成功しないことが多い。
適合度が悪くないことを見た上で因子相関を観察して、構成概念間の仮説を構築していくための情報にする。

【メモ2】
初期段階では小さなモデルをいくつか作ってみることが探索的モデリングのコツである。
3変数間の構造を徹底的に解釈すること。
従属変数の決定係数を完全に分解するトレーニングを実施すること。
3つの構成概念間の組み合わせを複数検討していくうちに、構成概念間の関係についての知見が深まる。
4つ以上になるとグラフィカルモデリング(GM)のような手法を適用しないと複雑さのために混迷してしまう。
構成概念間のGMを適用する場合は、因子相関から出発する。

【メモ3】
基本姿勢として大切なことは、
・データを丁寧に注意深く観察すること。
・弱い仮説からスタートし、データによって仮説を鍛錬して強化していくこと。

弱い仮説ではなく、強すぎる仮説でこうあるべき論を唱えては駄目で、共分散構造分析に限らず、この丁寧に注意深く観察とはとても重要なことだと思います。

入門 多変量解析の実際 第2版

入門 多変量解析の実際 第2版

  • 作者: 朝野 煕彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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