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マラソンを走るように [マーケティング / 仕事]

「スポーツ・グラフィック ナンバー」2011年7月7日号より


羽生善治 闘う頭脳 (文春ムック)

羽生善治 闘う頭脳 (文春ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/03/24
  • メディア: ムック



マラソンを走るように
マラソンを一人で走るのは大変だが、集団ならあまりペースが乱れることもないし、お互いがお互いの風よけにもなります。

羽生名人の周りには、森内九段、佐藤九段がいます。
良いライバルがいるからこそ、さらに強くなれる。
そして、強い人が1人だけだと、まわりも照準を絞りやすいが、複数の強者がいると、ある程度分散される。


-羽生さんは何と闘っているのですか?
「突き詰めちゃいけないと思っています。突き詰めると、答えはない、となっちゃうので・・・」

自分自身、なんでデータ解析をやっているんですか?と質問されると、確かに突き詰めれば突き詰めるほど、答えるのが難しくなってきます。


森内「彼は(羽生さんは)技術の囲い込みをしなかった。(中略)自分だけ勝てばいいと思っていたらそういうやり方はしなかったはずです。彼の強さの根源は、そうした意識の高さだと思うんです。リスクを負っても、変えるべきことはかえていくという強い気概、覚悟。そうやって、自分で強い棋士を沢山作ってきた・・・。」

将棋以外の技術についても同じで、自らの知見をオープンにすると、そこに同じ意思や悩みを持った人が集まり、そこで新しい発見やアイデアが生まれてきます。
企業に所属しているとなかなかオープンにできない部分はたくさんありますが、長い目でみれば技術の囲い込みをしない方が人としても企業としても強い体質になっていくと思います。

また、変えるべきことは変えていくという強い覚悟。
自分自身も仕事に対する覚悟について、考えていきたいです。


将棋は局面が進み未知の領域に入ると、羅針盤が利かない、セオリーもデータも、経験すらも役に立たない場面に直面する。(中略)自分とは違うアプローチ、考え方から発想のヒントをえることはある。

整備された環境から、未知の環境に直面した時に、何を頼りに道を開拓していくのか?
それは、頼るものがない状況の中で、どう自分が未知を開拓してきたかの経験が自分を支え、その支えの中から、次の何かを生み出していくという力になると思う。


私は目的があってこうなったわけではないんです。棋士になろうと思ってなったわけでもないし、時代を作ろうと思ってなったわけでもない。知らぬ間にこうなっていた。無計画、他力思考です(笑)。人生は自分で何とかなると思っていない」

自分自身も、何か目的があって今の仕事に着いたわけではなく、偶然と少しの自分の意思によって今の自分がいる気がします。

そして、その中で自分ができる最大の良いものを作っていきたい。
それが未来の子供たちにとって、少しでも役に立てるものだと嬉しい。

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