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日本の文化の知恵は、足し算ではなく引き算 [マーケティング / 仕事]

羽生善治『闘う頭脳』より
乱調の中に美を探る天才
文藝春秋2003年「将棋とは乱調の中に美を探ること」島 朗


羽生善治 闘う頭脳 (文春ムック)

羽生善治 闘う頭脳 (文春ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/03/24
  • メディア: ムック



日本の文化の知恵は、足し算ではなく引き算なのだと。


最初、読んだとき、引き算の文化?と思った。

気になったので調べたところ、いくつか分かりやすいキーワードを見つけた

・情報の蓄積と省略

・日本の生け花や庭に共通しているのは、引き算
どこまでも簡略化し、余白を生かそうとする枯山水
外国の場合は、いかに大きく豪華に見せるか

・「~しない」という引き算思考が人生を豊かにする

・『古事記』、『竹取物語』、『平家物語』などに共通する「もののあわれ」論

・、フィルターをかけ、編集すること
不必要なものを取り去り、本質に焦点を当て、重要なものだけを残す

分析的な話で言えば、(ちょっとこじつけっぽいが)
 大量の変数を用意して、精度を上げに行くのが足し算的な思考
 出来るだけ変数を減らし、構造をシンプルにするのが引き算的な思考
ってことでしょうか。

変数を増やしすぎると、精度は上がるが、新しいデータに対する頑健性が落ちる
変数を減らしすぎると、頑健性は担保できるが、精度はあがらない。
相反する状況の中から絶妙なバランスを見つける、それが巧みの技(職人芸)なのかもしれません。

羽生さんの将棋もシンプルに美的感覚や感性に重きを置いた将棋なんだろう。
どこかの対談で、人が指した将棋とコンピューターが指した手は明らかに見分けがつく、と言っていました。

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