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「頭が良い」「頭が悪い」 [マーケティング / 仕事]

羽生善治『闘う頭脳』より

「頭が良い」「頭が悪い」という違いがあるとしたら、その時代によって、その社会の基準によって、評価されやすい能力と評価されにくい能力があるということにすぎないと思います。

この文章以下に、「将棋」という分野に関して、「頭が良い」と言われる能力について書かれているのですが、それがそっくりそのまま「分析」というキーワードに置き換えても当てはまるわけで、それを紹介します。

将棋分析では、はっきりとした答えが出ないものについて考え続ける能力が必要とされています。もちろん、答えが分かっているものに他人よりも速く解析できる、という能力も必要ないわけではありませんが、情報を分析して答えを見つけることは、時間を費やせば誰でもできます。(中略)結局はわからない部分でいかに相手より半歩先に出るかが大事になってくる。

いずれにしろ、その年代、仕事、社会、時代によって「頭が良い」基準というのは変わってきて、羽生さんが言う様に「人に優しい、人の憂いが分かる人」が頭が良い場合だってあります。
そして、会社や小学校では、その個人の持っている良さを伸ばしてあげることが出来ると良いですね。

数学(算数)の世界では、日本式の暗記や計算速度を重視し、アメリカでは自由な発想を重視するということをよく聞きます。
羽生さんの言葉で書くと、「詰め込み教育」と「ゆとり教育」です。

よくメディアでは、「詰め込み教育」の害としてやり玉にあがる場合が多いですが、本来は、どちらも必要な能力です。
特に社会に出ると、両方必要。

「詰め込み教育」を脱し「ゆとり教育」を目指した結果の弊害も出ています。

ものごとのある側面だけを見て、こっちが良い、あっちが良いというのではなく、多様な世界の中で、「詰め込み教育」や「ゆとり教育」の意味やその能力が具体的にどんなことに使えるのか、ということを意識しながら教えたり、勉強したりすることができれば、きっと「勉強」というのはもっと楽しいものになっていくと思います。


羽生善治 闘う頭脳 (文春ムック)

羽生善治 闘う頭脳 (文春ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/03/24
  • メディア: ムック



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