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『驕れる白人と闘うための日本近代史』 [寺子屋]

寺子屋の課題図書、『驕れる(おごれる)白人と闘うための日本近代史』を読んだ。

驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)

驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)

  • 作者: 松原 久子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: 文庫



タイトルは、あえて挑戦的なものになっているが、冷静に江戸時代からの日本を振り返っている。

事実は、1つであるが、それをどう受けとるか、どう表現してしまうかによって、黒が白になってしまうのが歴史である。
勝者の歴史と敗者の歴史は、まったく善と悪が逆になってしまっている。

日本の歴史は、司馬遼太郎によって作られたという人も多い。

事実から、冷静に、そして、熱く歴史を向き合ったのがこの本である。

この本を読んでみて、昔、小学校、中学校、高校の頃に習った歴史の見方ががらりと変わってしまった。
こういうった史実が風化していってしまうのは、悲しい。
今の日本人はもちろんのこと、ヨーロッパやアメリカの外国の人にもこの本は読んでほしいと思う。

ただ、1点残念な個所がある。
第15章の猿の踊りの部分だ。

後半、いっきに話が進んでしまっている。
しかも、南京事件と朝鮮半島の統治(朝鮮半島の近代化を助けた部分)は、間違った記述が書かれている。

途中まで、非常に丁寧な解説があっただけに、最後の最後で力尽き、そして、誤った見識が書かれている部分は注意して読みたい。

15章を除くと、目から鱗の、非常に良い本です。

ちなみに、この著者が書いたオリジナルの本は、こちら。
Raumschiff Japan. Realitaet und Provokation
Hisako Matsubara (著)


Raumschiff Japan. Realitaet und Provokation

Raumschiff Japan. Realitaet und Provokation

  • 作者: Hisako Matsubara
  • 出版社/メーカー: Knaus Albrecht
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: ハードカバー



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