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「0÷0=?」をどう教えるか [ファミリー]

小学校の学校公開(参観みたいなもの)で算数の授業がありました。

そこで、先生が
・○÷○=1  ←同じもので割ったら1
・0÷□=0  ←ゼロで割ったら0
と教えていました。

とある小学生が、「先生、0÷0の答えは?」と聞いていました。

確かに、同じ0で割っているから1かもしれないし、ゼロで割っているなら0。
どっちなんだろう?と疑問がわくのは当然かもしれません。

ちなみに、先生は、「ゼロ!」と即答していました。
まぁ、小学3年生に本気の解説をしても、(ぽか~ん)となるだけですが・・・

【代数学の世界の考え方】
0÷0は、定義していないので、「0÷0=?」という数式は存在しない。
つまり、ゼロで割ることは考えない。

「0で割ってはいけない」ではなく、正確には、「存在しない」が正解。
禁止しているのと、存在しないのは、微妙にニュアンスが違うので注意が必要です。

【解析学の世界の考え方】
sin(x) / x を考える
x->0の時、sin(x) -> 0, x -> 0, lim sin(x) / x -> 1
この場合は、0 ÷ 0 = 1に近づく

次に、sin(x)ではなく、2sin(x)とすると、
x->0の時、2sin(x) -> 0, x -> 0, lim 2sin(x) / x -> 2
この場合は、0 ÷ 0 = 2に近づく

この考え方を拡張していくと、0に近づく速度により、「0÷0=?」の答えはたくさん存在する

【小学生の時に教わった考え方】
自分が小学生の時に教わった考え方が分かりやすいかと。
その先生は、もともと数学をやっていたと思われます。

6÷2=3
6=2×3
というように、割り算の式と掛け算に書き換えることができます。

その1:0÷1=?
0÷1=?
↓掛け算の式に書き換えると
0=1×?
つまり、答えは0です。

その2:0÷0=?
0÷0=?
↓掛け算の式に書き換えると
0=0×?

?に入る数は、なんでもOKです。
0でも良いし、1でも良い。
この様にたくさん答えがあって、一つに定めることができない状態を「不定」と言います。

その3:1÷0=?
1÷0=?
↓掛け算の式に書き換えると
1=0×?

?に入る数は、存在しません。
この様な状態のことを、「不能(不可)」と言います。

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