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人間の理を超えて [マーケティング / 仕事]

人間の理を超えて

「新潮」2011年4月号
朝吹 真理子 × 羽生 善治

朝吹さんは、『流跡』でデビューし、『きことわ』で芥川龍之介賞を受賞したようです。
チェスや将棋も興味があるようで、『きことわ』の中で「棋譜が音楽になってる。E4からはじまってステイルメイトで終わる」と書かれています。


羽生善治 闘う頭脳 (文春ムック)

羽生善治 闘う頭脳 (文春ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/03/24
  • メディア: ムック



いくつか、心に残った言葉をまとめると、、、

将棋の一番完全な駒組みというのは対局をはじめる時の陣形だ
それが駒組みが進んで、囲いができて、まるで建物が建っていくように、段々と立体的になっていく。しかし、駒数が限られているし、ルールの制限もあるので、ずっと高い建物を建て続けるわけにはいかず、どこかで壊れる。


「最後はこわれるんです。」という一言の中に、色々な想いを感じることが出来ました。
無限に近い可能性があるゲームですが、その1手1手の選択の中にあるのは、終局。
どちらかがどちらかの玉を詰めた瞬間、すこしずつ積み上げてきた立体的な建物が壊れる、という表現を見た時、なんとも不思議な感覚に陥りました。

人間が実際には触れえない感覚として永遠というものがある。
永遠とは時間が止まるというよりかは時間そのものがなくなってしまうことだと思います。


選び取らなかった無数の可能性


本当に自分で選んだのだろうか


羽生さん自身は「めぐり合わせ」という言葉を使っています。
羽生さんが自分自身で将棋の道を選ばなかったとしても、将棋の神様は何らかの形で将棋の道に呼び戻したはずです。

自分自身、「分析者」という職業を選んだわけですが、「本当に自分で選んだのだろうか?」という問いに対しては、やはり、「めぐり合わせ」という言葉がぴったりくるように思えます。

ちょっとした偶然やきっかけが積み重なり、かといって、まったくランダムの中からの選択ではなく、自分のある程度の意思と「めぐり合わせ」の中からの選択だったのかな、と感じています。

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コメント 2

U3

最後は壊れるかぁ。
要は壊れた先に何があるか何を作るのかを読む事なのかな。
by U3 (2015-07-12 17:19) 

Minky

> U3さん
nice & コメントありがとうございます。

羽生さんの言葉の中にある意味を考えると、相手の玉を詰ますために、どんどん高く積み上げていき、壊れやすいバランスの中での勝負がつくってニュアンスを感じました。

by Minky (2015-07-13 15:55) 

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