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日本の神って? [世界の神々]

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神は、元々同じ神様ですが、日本の神道(しんとう)の神は全くことなるものでした。

キリスト教が日本に伝えられたとき、最初は「天」という言葉を使っていましたが、そのうち「神」という言葉を使うようになったため、混同が生じました。

神道は、日本独自の宗教で、キリストやムハンマドのような預言者はいません。
『聖書』や『コーラン』のように信者が必ず読まなければないないという書物もなし!
日本では、わざわざ「私は神を信じています!」ということを示したり考えたりしなくても、初詣などの神道の行事が日ごろの生活習慣に根付いていたからでしょう。

神道が宗教として考えられるようになったのは、日本の外部から仏教という宗教が入ってきて、日本にはそもそも神々がいて、「宗教」があったと意識されだしました。

日本の神はいたるところにいて、「八百万(やおよろず)の神」と言われるくらい神様がいます。
生きていた人間も神になります。
たとえば、徳川家康や学問の神様で有名な菅原道真などです。

イスラム教は、「砂漠の宗教」と呼ばれています。
砂漠は水もなく厳しい世界で、大自然は厳しく、そんな中では、人間を超越した万能の神が君臨する宗教が生まれやすかったのでしょう。
そして、現世では厳しくつらいけど、死んだら天国にいけます。
どんな天国かといえば、清らかな川が流れ、涼しい木陰があり、美味しい果物がたくさんあり、鳥肉が食べ放題だそうです。
なんだか、とっても現実的な天国です。

一方、日本は、豊かな自然と四季に恵まれており、やがて「自然によって生かされている」という思いを持ちやすくなります。
自然を征服するのではなく、自然と共存して生きていく。
人間を生かしてくれている自然に感謝をするという気持ちが芽生え、自然界のそこかしこに宿っている神に祈るという観念が生まれてきました。

キリストやイスラムの世界では、厳しく生きるのに対し、神道では自然の恵みとご先祖様に感謝して、澄み切った心を持ち、世のため人のために奉公すること。
そして、人生を大切に生きることを求めています。

この考えは仏教もよく似た考えで、仏教についてはまた書きます。


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