事前分布自体が未知の場合の Empirical Bayes Approach [ベイズ統計量におけるパラメーターの推定]
事前分布自体が未知の場合の Empirical Bayes Approach
前回までだと、二項分布にしろ多項分布にしろ、 P の事前分布のパラメータは未知であるが、事前分布は、既知であると考えてきた。
では、事前分布が未知であるような場合、Empirical Bayes Approachは、どうなるであろうか?
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An Empirical Bayes Approach
事前分布自体が未知の場合、P をどのように推定するかを考える。
Binomial Kernelの場合、
ここで、r は、試行の数を表す固定された正の整数とし、また、X は成功の数とする。
X の事前分布は未知とする。
となる。
基本関係式は、
今、 を推定する。
を考え、これは、n → ∞ で確率 1 で となる。
今、r 回の試行中、初めの (r - 1)回の試行の中で、成功の数を表す確率変数列 を考える。
を考えると、これは、n → ∞ で確率 1 で となる。
ゆえに、
とおけば、これは、n → ∞ で確率 1 で
の推定値として、平均自乗誤差を考えるときに、シミュレーションで求めることができる値として、 を取ることができる。
そして、これは、n → ∞ に関して
となる。
※ ここで、 に関して、
とし、また、 に関して、
とした。