SSブログ

入門 共分散構造分析の実際: 7章 トラブルシューティング その4 [入門 共分散構造分析の実際]

入門 共分散構造分析の実際: 7章 トラブルシューティング その4

入門 共分散構造分析の実際

入門 共分散構造分析の実際

  • 作者: 朝野 煕彦, 小島 隆矢, 鈴木 督久
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/12/20
  • メディア: 単行本

【適合度指標の読み方がわからないのですが?】

〔カイ2乗適合度検定(χ2, 自由度, p値)〕
モデルとデータのズレを確率的に評価するというのは最も基本的かつ重要な評価基準。
しかし、標本サイズが大きくなると検出力が高くなり、たいていのモデルは棄却されてしまう。

そこで、
①小標本の場合:
カイ二乗検定で棄却されないモデルであることが必要

②中・大標本の場合:
カイ二乗検定で棄却されても、各種適合度の値が良好であればOK
と考える。

経験上の目安として
・100未満:カイ二乗検定で棄却されないことが必要。
・200程度:カイ二乗検定で棄却されないことが望まれるが、棄却されるモデルでも適合度指標が良好である場合もある。
・500以上:たいていのモデルが棄却されるようになってくるので、適合度指標であてはまりを評価する。

〔SRMR(標準化RMR)〕
計算方法:
母分散・母共分散の推定値と、標本分散・標本共分散の差を2乗し、その平均の平方根をとったものをRMR(Root Mean Square Residual)と呼ぶ。
標本分散または母分散推定値で標準化したSRMR(Standardized RMR)が用いられる。

小さい方がよい値であり、0.05未満であれば一般的には「非常に良好」と言える。

〔RMSEA(Root Mean Square Error of Approximation)〕

カイ二乗が期待値dfより大きくなった分を、自由度1つあたり、観測値1つあたりの値として評価している。
他の指標とは異なり、カイ二乗統計量に基づきつつも、その値を標本サンプルサイズで基準化しているので、小標本から大標本まで通用する指標である。
小さい方が良い値であり、一般的には、0.05以下であれば良好、0.1以上であればNG、0.05~0.1の間はグレーゾーンと判断される。

〔AIC(赤池の情報量基準)〕

絶対的な数値に意味はなく、もっぱら複数の競合モデルの相対的な比較のために用いられる指標である。
AICが小さいほどよいモデルとする。

〔GFI(Goodness of Fit Index)とAGFI(Adusted GFI)〕
母共分散推定行列が標本共分散行列を説明している割合を表すており、重回帰分析における重相関係数に相当する指標と言われている。
AGFIは、重回帰分析における自由度調整済み重相関係数に相当する。
AGFI≦GFI≦1
GFIやAGFIが0.9あるいは、0.95より大きい場合があてはなりのよいモデルと判断される。

〔NFI(Normed Fit Index)とCFI(Comparative Fit Index)〕
NFI = 1 - (現在得られているモデルのカイ二乗)/(独立モデルのカイ二乗)
現在得られているモデルは飽和モデルから独立モデルの間のどのあたりに位置しているかを評価できるということになる。
0以上1以下の値をとり、大きい方がよい値である。

真のモデルであってもカイ二乗は0にはならないから、NFIは標本サイズが小さいとき、モデルが正しくても1には近くならないという欠点がある。
そこでカイ二乗値の変わりに MAX(χ2 - 自由度, 0)を用いることで、カイ二乗が自由度(モデルが正しいときのカイ二乗の期待値)以下であれば、十分よい適合として1を取るように改良されたCFIという指標が提案され、現在ではこちらの方がよく用いられている。

NFI、CFIとも数値としては、0.9あるいは0.95より大きい場合が一般的にはあてはまりのよいモデルと言われる。

【適合度指標一覧】

入門 多変量解析の実際 第2版

入門 多変量解析の実際 第2版

  • 作者: 朝野 煕彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


nice!(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0